かねて知を恐れたまえ

映画や本、ゲームについて。絵も描いています。

(勝手に)祝!『キッド・ピストルズの冒涜』改訂文庫化

初めて《キッド・ピストルズの冒涜~パンク=マザーグースの事件簿》を読んだ時、私はキッドのお仲間のような恰好をした若者だった。
当時周囲にいたパンクスにミステリーやSFを読む人はいなくて、なぜか近代日本文学の愛読者ばかりだった。
一方、ヘビーメタル・ファンとは話の合う人が何人かいて、「ブラッドベリの《さなぎ》は傑作だよね!」「好きな探偵は…マイクロフト・ホームズかな……」「探偵じゃねえよ!」などと盛り上がっていた。
山口雅也氏が、どこかで(うろ覚え)「ロンドンのパンクスがクリスティーを読んでいたら…」みたいな事を書いていて、「日本人だけどここにいます」などと思った記憶がある。

…と、いろいろな思い出が蘇る作品だが、久しぶりに読み返してみても、キッドの哲学は爽快で、ピンクは(若い頃に読んだ時よりも)愛らしい。
あの時私は二人よりも年下だったが(二人の年齢は定かではないが多分)、今はすっかり追い越してしまった。
シド・ヴィシャスキース・ムーンの年齢を超えた時もそんな事を思ったが、それでも変わらないものがある。

キッド・ピストルズ》シリーズの面白さだよ!
きっと、30年後に読んでも面白い。

だからどうか、この文庫化で初めて手に取るという人が沢山いますように。
そうして、その人達が数十年後に読み返してまた楽しんでくれるように。


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Bloodborneのボス描いてみた・その1

ゴースの遺子

 

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(お詫びと反省)

台詞を横書きにしたので、本来Aのように描かねばならないところ、いつものクセでBの順番で描いてしまいました。

 

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読み辛くてすいません。

今後は気を付けないと。

 

反省点は、狩人の服をベタにしたらカイロ・レンみたいになってしまった事です。

これからはディテールを描き分けよう…(ヤーナムの狩装束が好き)

 

目指せ、イラストで全ボス制覇!!

…あ、やめよ、迂闊に宣言するのは… 

《Tokyo Sweet Gwendoline~3バチ展Vol.2》に行ってきた。

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フェティッシュとボンデージ・アートの先駆者ジョン・ウィリーの名作《Sweet Gwendoline》シリーズを、日本で最も魅力的な女性を描く三人(!)がアレンジした作品展。

 

連休初日の土曜日、時刻は昼過ぎ、決して広くないヴァニラ画廊…激混みを覚悟しながら到着すると、なんとガラガラである。

しかも三分の一は海外の方…

大丈夫か、日本人!?

…そんな軽い憤りも、胸躍る作品群を前にどうでもよくなってしまった(決してどうでもよい事だとは思わないが)。

 

原画を見るという行為は、これはもう生演奏とスタジオ録音の音源を聴く事ぐらいの違いがある。

どんなに録音技術が向上しようとも再現出来ない部分があるように、印刷では決して見えないものを見に行くのだ。

ガラ空きなのを良い事に、かぶりつきで見させていただいた!(視力が悪い事もある)

空山基氏の筆使いの繊細さ…この髪の毛、メタルの光沢の表現力!

Rockin' Jelly Bean氏のオリジナル鉛筆画の美しさ。

寺田克也氏が特大ダンボール紙に描いた線画に近づけば、ペンのインクの厚みまで見える。

これを見に来たのだ。

原画を間近で見ていると、その制作過程まで見えてくるような感覚がする。当たり前の事なんだけど、ペンや鉛筆や筆を持って描いてるんだな…と実感し、「人間って凄い」というところまで辿り着くのだ。

 

数年前キリコ展に行って、一番感銘を受けたのは荒っぽく塗り潰されたドアだった。

画集で見た時は全く気付かなかったが、どうも描いていて「ここじゃないな」と思ったのか、ベタベタと上塗りされつつも完全に透けて見えていた。

この荒っぽさもまたキリコっぽくて好感が持てたのだが、これもまた原画を見てこそ見えるものである。

 

ところで寺田克也氏の描く女性を見ていて思ったのだが、皆オッパイの形が異なる。乳房の大きさからトップの描き方まで作品によってそれぞれ。

裸体の女性を描く時、特にオッパイはどうしても作者の好みの形になりがちだと思うのだが、単純にこの描き分けは素敵。

 

そして御三方とも、本当によく女性文化を理解していると。文化というのは、メイクやファッション。ボンデージだけでなくもっと根底のところ。

ちょっと安っぽい表現になるが、《男性の喜ぶ女性》ではなく《女性が望む女性》を描いている気がする。

だから、本当のフェティッシュのアートというのは、残酷性や悲惨さなどとはかけ離れたところにあるのだと思う。

スウィート・グウェンドリンの《冒険》だから。

 

カタログと一緒にTシャツも購入したのだが、このTシャツ、胸元の一番目がいく所にRockin' Jelly Bean氏の描く女性の股間がきている。

東京ゲームショウに着て行こうかと思っているのだが、入れてくれるだろうか。

 

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撮影協力:イギー

ドラクエくじで〈はぐれメタルのごはん型〉が当たったのだが…

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なんかもう…

映画『バスケットケース』のお兄ちゃんに見えて仕方がない。

 

腕を付けて、バスケットケースに入れてみる。

 

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ベリアル完成である!

…か、かわいいではないか。

 

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ドラゴンクエスト11―愛の劇場―

シルビアが好きすぎるので、勝手に再編集してみた。

 

【主人公さるきち~大人への第一歩~】

 

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あの人は…!

 

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…カ、カッコいい!!

 

あの…よかったら一緒に…

 

 

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えーーーっ!!!来てくれるの!?本当に!?

 

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姉さん、俺もです!!どこまでもついていきますから!!

 

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みんなが寝ている間、夜なべして苦手な鍛冶をトンテンカンテン…

 

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姉さんの武器・防具は常に最強マックス状態に打ち直し!!

 

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ええ、ええ、集めてますよ。すべてはシルビア姉さんのため…

 

どうしよう…

やはり誰かに相談しようか…

 

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子供に相談してもなぁ…(同い年だけど)

 

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いや、悪いが君は眼中に無いんだ。

 

ここはやっぱりリトル・ブウさんに…

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あきらめろ、って言ってます?

 

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どあああああ!!…ね、姉さん、イイ匂い…

 

(推定)20歳も年下には興味ないかな…

でも、強くてカッコよくて、華麗なツッコミにHPを回復してくれるダンスも踊れるなんて、こんな素敵な女性にはもう巡り合えないかもしれない!

 

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えっ………

 

もう我慢できない!!

俺の勇者パワー、今使わずにいつ使う!!

魔王?邪神?いや、なんとかなるって!

 

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好きです。

 

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「…ところで、さるきちちゃんのその剣、ダークソウル的何か?」

 

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(ダークソウル的何か)



 

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~つづく(かもしれない)

 

※おまけ

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ネルセンにお願いしようと思います…

ドラクエ楽しい、止まらない。

 ドラクエといえば、9・10をプレイしていないクチである。

理由は…プレイしていない多くの人とたぶん一緒である。

で、二作も飛ばしてしまうと熱が薄れてしまうのも仕方がない。

ところが最近《ドラゴンクエストビルダーズ》のプレイ動画を見て「面白そうだな…」と思い、スイッチ版を購入してみた。

なぜスイッチ版にしたかというと深い理由は無く、持っているスイッチのソフトが少なかったからである(少泣)。

ちなみにそのプレイ動画を見ていて、「面白そう」と思った直後に実況者さんが「なに、この面白いゲーム!」と言っていてクスッとなった。実況を見ていてこういうちょっと楽しいことってあるよね。

 

そうして始めたビルダーズが予想以上に楽しかった。

頭身の低いキャラは可愛いし、なにより懐かしさもいっぱい。音楽も、ちょっと暗いストーリーも、とぼけた台詞もすべて懐かしい。

新作の発売を心待ちにして、延々プレイし続けて、これまた延々友達と話し込んだ。

ドラクエをやった人は皆さんそんな思い出をお持ちだろうな。

甦る過去作の記憶………

 

6で、やっとのことで手に入れたラーの鏡を王様の所で掲げた時…鏡から光が溢れ、パアッと画面が白くなり…白くなり…(やけに長い演出だな)…突然暗転、なぜか“ぼうけんのしょ”も真っ白に。

念の為セーブデータを三つほど作っていたが、絶望的なあの音楽とともに「おきのどくですが…おきのどくですが…」と繰り返すスーパーファミコン

呆然としている間に全てが真っ白になったあの日。

「もう二度とドラクエなんてやらないよ!」と思った。二日ほど。

 

評価の分かれている7だが、私は(序盤の)相棒・キーファが大のお気に入りだった!

主人公を差し置き、いい装備も全部キーファにあげていた。…と、そこで唐突に起きたあの大事件。

 仲間を外れたいとか言い出すキーファとの会話に、必死で「いいえ」と答え続けるも遂に会話がひと回り。あまりの事に動揺しながら、当時アシスタントで通っていた漫画家さんが私より先に進んでいたので、半泣きでメールする。

『キーファが変な女にそそのかされて、ココにとどまるとか言い出しやがったんですが!どうすればいいんですか!』

返ってきたひと言―――『キーファはみんなの心の中に』。

 

そして、遂に3Dになった8。

ツボ割りもタンス開けもドロボー感が凄くてドキドキ。遠く砂浜にわかめおうじが見えた時の事がなぜか忘れられない光景だ。

しかし、またもや大事件が…

遂に船を手に入れ、「敵は海を渡って西へ行った」とのこと、画面左へ左へと進みたどり着いた大陸。…どう考えても敵が強い。強過ぎる。

ここは絶対今来るところではない。

全滅を繰り返し、「な、何か大切な情報を聞き逃したのか?」とうろたえながら、混乱して説明書などを読み返す。とそこに…『久しぶりにゲームを始めて次にどこに行けばよいのかわからなくなったら、始めてすぐに仲間に話しかけてみよう』。

これだ。

ためらうことなくリセットボタンを押し、始まった瞬間、私は間髪入れず仲間に話しかけた!

答えてくれたのは勝気な女の子、ゼシカ

『もしかして○○○○(主人公の名)、どこに行ったらいいかわからないの?

たよりないリーダーね』

…………

え!?それだけ?馬鹿にされて終わり?も、目的地教えてくれないの!?

すっかりパニクった私は、当時通っていた(先ほどの方とは別の)漫画家さんの所に行った時にその事件を訴えた。

「そんな台詞、聞いたことないよ!レアじゃない!?レア!!」 

…いや、レアな台詞よりも目的地の方が聞きたかったのだが…。

(正解は、真西ではなくちょっと北西にある都市へ向かうことだった。でも、私と同様に素直に左へ直進した人もいるだろうと思う)

 

さて、いろいろな事があった私のドラクエシリーズ体験だが、今また新たな1ページが!

ビルダーズの面白さに盛り上がり、11を購入!

おお、直球の勇者の物語…

しかし、しょっぱなひとつの問題が…

 

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今回の主人公、ずいぶんイケメンではないか。

いや、それは結構なんだが…ドラクエの主人公はいつも同じ名前にすることにしていて…でも、こんな顔でいつもの名前はどうなのよ…いや、ここで歴代受け継がれてきた名を変えるわけには……でも…

 

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つけちゃった。

歴代一のイケメン・さるきち。

しかしご両親の名前がアーウィンとエレノアって…

なにがあって息子はこんな名になったのだ。

 

ところでちょっと話はズレるが、ビルダーズというじゅもんで久々にふっかつしたドラクエ熱で《ドラゴンクエスト名言集―しんでしまうとはなにごとだ!》という本を一緒に購入してしまった。

私個人的に、一番の名台詞といえば…「あちち!」である!

主人公が暖炉を調べると「あちち!」と言って飛びのくアレ。

なんの意味も無いのだが、暖炉は必ず調べてあちち!することにしていた。

無口な主人公の貴重な台詞のひとつ。

が、3Dになってなくなってしまった…

わからなくもないけれど…聞きたい、もう一度。

あちち、カムバーック!

 

現在どうやら仲間は全員揃ったらしいがまだまだ序盤(ああ、嬉しいな)。

いろいろあって勇者さるきちは悪魔の子と呼ばれて追われる身である。上等だね!

ほどよくリアルなグラフィックに喋らない主人公…ほっとするな…。

去年から再びゲームをやり始めているが、どうも最近のゲーム、グラフィックだけでなく会話もリアル志向なのかまぁ皆さんよく喋る。ムービーもくそ長かったり。

《Horizon Zero Dawn》でどうにも苦手だったところがまさにそこで、たかが買い物ひとつでなぜこんなに会話しなきゃならないんだ…皮肉はいいから早く売れよ…と。

ムービーが挟まれるのは楽しいし、ボイスが入るのも構わない(個人的に主人公はいらない)。

でも、なんかこう限度ってものが…

 

とにもかくにもドラクエは全てぴったりである。

幼少時代の主人公がべらべら喋り出したのには別の意味でびっくりしたが(笑)、ムービーもグラフィックも会話も全てほど良い感じで、中途半端な映画を見させられているのではなく“ゲームをやっている”感があって凄く心地いい。

 

しかしドラクエのことだから、今作もこの先多くの事件が待ち構えている事だろう…

だが、今や私の人生の指針ともなった、あのもうひとつの名台詞を胸に勇者さるきちと仲間たち(みんな名前がかっこいい)は乗り越えてゆくのだ!

 

『もしかしてさるきち、どこに行ったらいいかわからないの?』

 

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《レザーフェイス~悪魔のいけにえ》ネタバレ感想――誰の為に作られた映画だろう?

【マスクを被った正体不明の巨体が追いかけてくる】。

三大ホラー映画の共通点である。

通説では《13日の金曜日》《ハロウィン》《エルム街の悪夢》を指して三大ホラーとする事が多いようだが、今回はこのマスクを重要視して、フレディ・クルーガーの代わりにレザーフェイス、《悪魔のいけにえ》を入れる。

フレディはあれ素顔だから。火傷の無い頃も出てくるけど。

 

そう、素顔。

常にマスクを被っているのがトレードマークなのだから、基本素顔は見えない。

だから怖い。

何者かわからない。表情も見えない。極論を言えば“顔”があるのかどうかも…

この、素顔に纏わる描写が三作品ともに見事であり、この三本がホラー映画に留まらず映画史上の名作と言われる理由のひとつになっているとすら思っている。

 

今描写と書いたが、実は御三方ともシリーズ内でその素顔を晒しておられる。

ジェイソン・ボーヒーズ。

13日の金曜日》第一作ではホッケーマスクどころか犯人ですらないわけだが、ラストに生き残った少女の悪夢の中に少年時代の姿で現れる。湖の中からザバアッと、ほんの一瞬。醜く生まれついたらしいがよくわからないほど一瞬だ。見事な演出。

ただ、彼はその後に続く続編で大人になってがっつりマスクを外している。

回を重ねるごとに醜さがアップしてゆくジェイソン氏だが、個人的に第四作目《完結編》の素顔が一番好き。子供の頃初めて観た時は本当に驚いたし。人類が誇るトム・サビーニ氏の仕事には、幼少期のうちに触れるべし。

マイケル・マイヤーズ。

続編が枝分かれしてなんだか大変なことになっている《ハロウィン》シリーズだが、そんなマイケル氏も第一作で外して…いや、外れてしまう場面がある。

これまた、ほんの一瞬。

ただ、その下に垣間見える顔が…“ただの人”なのだ。はっきり言って、思い出せないほどこれといった特徴の無い…と言っては演じた方に失礼だが、これは監督の意図したところだろうと思われる。マイケル・マイヤーズという存在を、都市伝説のようにする為にあえて印象に残らない平凡な顔にした。しかも、マスクが外れて大慌てで被り直す。それまで物音ひとつ立てずに近寄り、声も一切出さずに襲い掛かってきたマイケルがほんの一瞬“ただの人”になる怖さ。

ジョン・カーペンター作品って、必ずどこかに他の人間には真似の出来ない演出がある。私が彼を天才と思う所以である。

 

さて。

いよいよレザーフェイスの登場。

彼は二人とは異なり第一作では素顔を出していない。せいぜいガタガタの歯並びくらいしか見えない。その後に制作されたリメイク版ではじめて素顔が見える。ちなみに《悪魔のいけにえ》シリーズは《ハロウィン》以上にカオスな状態になっている。

続編、リメイク、さらにその続編…まあいかにこの殺人一家が人気あるのか、というより、話を作りやすいのかもしれない。

悪魔のいけにえ》オリジナル第一作目は、一家の素性が全く描かれていない。

理由などない、ただ狂っているのだ(ここ、重要)。

なんで?を説明してしまうと怖さ半減、魅力も半減という物語は多々ある。どこまで説明するのか、どこまで見せるのかが監督の力量。

そして《悪魔のいけにえ》も上記二作と同様、“説明の無さ”が素晴らしい。

これはたぶん、最近の映画(…と一括りにしてしまうのもよくないが)で完全に欠落しているところ。ホラー映画に限らず、説明し過ぎで情緒も余韻も無くなってしまっている作品がたくさんある…。

 

本題。《レザーフェイス悪魔のいけにえ》である。

レザーフェイス誕生秘話という、もう完全な説明映画がきた(なんだ、そのジャンル)。

いや、観る前から否定することはしない。

映画だもの。“面白ければいい”というのが基本だから。

だがしかし。

とにもかくにも、鑑賞後の最初の感想は…

 

「このレザーフェイス、どこに需要があるんだろう」。

 

物凄く簡単にストーリーを書くと…

殺人大好き一家に生まれたジェデダイア少年(通称ジェド君)は五歳の誕生日プレゼントにチェーンソーをもらうが、ひとりマトモな理性の持ち主らしく、それで人を殺す事は躊躇してしまういい子。兄たちに促されて少女殺人を手伝わされてしまうが、それが原因で精神病院へ。数年後、暴動に紛れて患者仲間と脱走。イカれたカップルと親友の太っちょ・バド君と人質の看護師の五人の逃亡劇が始まるが、相変わらず殺人や暴力はお嫌いらしく、カップルの蛮行にやきもきしている。かつて殺された少女の父親である保安官が執念で追いかけてくるのだが、親友を殺されてようやく理性の吹っ飛んだジェド君がチェーンソーで仕留める。母親から悪魔の囁きをされて、よくしてくれた看護師も仕留める。看護師の顔の皮を剥ぎ取り、めでたくマスク制作に取り掛かるジェド君。レザーフェイス誕生であった――

 

一言よろしいか。

 

名前がババだろうがトーマスだろうがジェデダイアだろうが、

レザーフェイスはハンサムであってはならない。

なぜなら、元ハンサムなレザーフェイスなどかっこ悪いから。

ここはぜひともおさえておきたい。

悲惨な目に合う主人公はある程度の見た目でないと、観客が感情移入出来ないから…というのはわかる。オリジナルのファンからすればそんな形での感情移入などどうでもよいのだが、それはさておき、そもそもその主人公の、精神描写がよくわからない。

実はいい子だったというなんともセンスに欠ける設定には目をつぶるとして、なぜ彼がイカれちゃったのか?親友を殺されてプツッときちゃったのはわかる。でもどう考えても引き金は、母親からの「あなたなら出来る」的な誘導ではないか。

そ、それでいいのか?

そんな理由で世紀の殺人鬼が誕生しちゃっていいのか?

しかも母親からの囁きって…それはジェイソン…(ボソボソ)

そしてなぜ、女性でマスクを作った?保安官より肌の張りがよかったから?

説明映画なんだから、そこも説明するべきでは。

 

レザーフェイスはいろいろあって顔が大変なことになっちゃってるけど、もともとはきっとハンサムだったんだよね…なんて思っている《悪魔のいけにえ》ファンは全世界探してもいないだろうと思うが、この映画で初めてシリーズに触れて「かわいそうなレザーフェイス…」と思った後にオリジナルを観た人は、「なんかただのデブの殺人狂になってる!」とか感じないだろうか…

とするとこの映画、一体誰の為に、何の為に作られたのか…

主人公を演じたサム・ストライクのファンの為であろうか?

 

いや、どんなきっかけでもよいので一人でも多くの人にオリジナルに触れてもらえる機会があればよい、と私は思っている。今までもそうだったように、これからも、いつだって、人生変える体験をする人がいるだろう。

 

けっこう長く続いている名作ホラーのリメイク・続編ブームだが、どれを観ても結局は“オリジナルの良さを再確認する映画”となっている。だから控えめに言って、そろそろやめたほうがいいと思う。

 

いろいろと書いてしまったがいい点が無いわけではない。

母親役のリリ・テイラーをはじめ、みなさんいい演技をしている。

なんといっても本作品中実は一番狂気を孕んだ人物・保安官を演ずるスティーヴン・ドーフ!《セシル・B/ザ・シネマウォーズ》や《ツイてない男》など、いい映画にたくさん出てくれるいい役者!!だいぶ老けてきたが《タイタニック》主演を断った気合のある人、今後も活躍してくれる事を願っている。

あと監督のフランス人二人組は才能ある方々なので、早々にオリジナルの次の作品を撮ったほうがよい。

 

そしてこの映画、トビ・フーパー監督がプロデュースした最後の作品でもある。どの程度関わっていたかは定かではないが、これによって氏の偉大な業績に傷が付く事はない。あまりにも偉大過ぎる、からね…

 

最後に、映画館のロビーに貼ってあった映画関連の記事で(なんの記事か忘れてしまった…申し訳ない。たぶん映画秘宝かな?)、田野辺尚人さんの言葉に深く同調したと告白。

「テキサスには、チェーンソーで人を殺す一家がたくさんいる」

…なんと心広く、愛に溢れた言葉!!

 

テキサスの夏は永遠に血生臭いのだ。

テキサスの人にとってはいい迷惑だろうが、これは“名誉”だから!

 

愛してるよ、レザーフェイス!!

 

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